コミュニケーション・ミスが発生する原因
コミュニケーション・ミスが発生する原因
コミュニケーション・ミスが発生する原因として、
①「視点」が合っていない(必要となる知識が不足している)
②「視座」が合っていない(相手の立ち位置が分かっていない)
③「視点」と「視野」の両方が固定している(思い込みや一つのことから離れられない)
の3つが起こることが多いです。
視点について
視点がないと、問題が見えず、何が分からないのかも分からない状況になります。
例えば、私が仕事で書かれているプログラムを見る。
しかし、それが知らないプログラム言語だと、書かれている内容が分からない。
知識が無いと、物理的に視野に入っているのに脳が認識せず見えないです。
考えることが大事といっても、視点(必要な知識)を知らない状態で考えても意味がないのです。
視点(必要な知識)を獲得し、使いこなせるようになることが「観察力アップ」につながります。
興味のないものは見えない
自分の目的にとって「重要ではないと評価したもの」は、興味がなくなり見えなくなります。
野球やサッカーなどメジャーなスポーツは、情報が目にしたり耳に入ったりしますが、マイナーなスポーツは、興味がないとどのようなスポーツで、どう争うのかなど分からないものです。
特に、概念的なこと(方針・ルール、考え方、やり方等)は知らないと分かりません。
偏見があるものも見えない
肝心なのは、見たモノを正しく覚え判断することです。
思い込みは、十分な根拠がなく、「あれはこういうものだ」と評価を決めつけている状態です。
「バイアス(偏り)」や「偏見(偏った見方)」と呼ぶこともあります。
私の仕事の一つであるシステム開発でも、思い込みによる問題は、いろいろなところで日常茶飯事といってよいくらいに起きます。
その一つの例として、
お客さまから、こういう機能をもつシステムを開発してほしいと言われたとします。
そのお客さまは、あなたにパワーポイント一枚に書かれている絵で説明してくれました。
ですが、そのパワーポイント1枚の絵の中に、機能が50個あったとしたらどうでしょう?
それを全部自分の思い込みで、このようなシステムを作って欲しいんだろうと、
システムを作ったとしたら、おそらくは作成者が超一流でない限りは、
お客さまの想像していた価値を持つシステムではない、
違うシステムができあがります。
結果、お金はもらえず、時間と労力が無駄になることが考えられます。
本来、そのような事例の場合は、
機能分解して、詳細な要件定義書を作るものですが・・・
「言語化と数値化をして、言葉の認識も合わせること」
とても大切です。
機能数が50個ではなく、数個だったとしても、同じようなことは起こります。
人は、自分の見たいモノしか見ていない(視野が狭い人)
自分にとって重要だと思う視点にフォーカスしてロックオンします。
そうなると、それ以外のものが「ロックアウト」されてみえなくなり、見えなくなった部分のことを「心理的盲点」と呼びます。
視点が偏っている人のことを「視野が狭い人」と言ったりします。
視点が偏っていれば、見ている対象範囲も狭くなります。
そうなることによって、相手との認識相違が起こる回数も増えますので、
相手と視差(相手の「視点」、「視野」、「視座」との差異)を合わせることが必要になります。
視点(対象に必要な知識)・視野(対象を見ている範囲)・視座(対象を見ている立ち位置)を合わせるように心がけましょう。
相手の視点になって考える
「相手の視点になって考える」ということがビジネスに限らずよく言われます。
この言葉を分解すると、「相手が対象のどこをみているのか?」ということと、
「相手の立場になる」という意味の言葉が混じってます。
「お客さまの視点になって考える」と言いかえたときに、
例えば、何かの家電を選ぶとすると、
視点は商品の、
「値段」なのか?
「デザイン」なのか?
「機能」なのか?
「大きさ」なのか?
「ブランド」なのか?
など対象の何を見ているのか?
ということで使われます。
「相手の視点になって考える」を「お客さまの立場になって考える」と言いかえると、
お客さまが、その商品を購入したいと考えている背景事情(使っていた家電が壊れたので買い換えようとしているが、前に使っていた家電が気に入っているので近い商品を選ぼうとしている等)を知る必要があります。
複数の意味が、一つの言葉に混ざって使われると、ミス・コミュニケーションが起こりやすくなるので注意しなければなりません。
言葉の解釈の違いを生んでしまうからです。
「視点」は、必要な知識です。
知識がないものは人の脳は認識できません。
物理的に視野に入っていても、視点(知識)を持っていないものは、人の脳は認識できず見えないため、
そのことを知っている人から視野に入っているモノのことを言われても、
何を言われているのか分からないですし、何が分からないのかも分からないのです。
いわゆる「無知」という状態です。
そのため「視点(関係する知識)」を獲得し、使いこなせるようになることは観察力のアップと
コミュニケーション・ミスの防止につながります。
また、興味が無いもの、偏見や思い込みがある場合も、視点や視座が固定していて見える範囲が狭まります。
偏見や思い込みで、十分な根拠もなく偏った見方をして評価し決めつけているため見えなくなるのです。
まとめ
1.コミュニケーション・ミスが発生する原因
①「視点」が合っていない(必要となる知識が不足している)
②「視座」が合っていない(相手の立ち位置が分かっていない)
③「視点」と「視野」の両方が固定している(思い込みや一つのことから離れられない)
の3つが起こることが多い。
2.新たな視点の獲得
考えることが大事といっても、視点(必要な知識)を知らない状態で考えても意味がないので、
視点(必要な知識)を獲得し、使いこなせるようになることが「観察力アップ」につながる。
3.視差(目線)を合わせる
視点(対象に必要な知識)・視野(対象を見ている範囲)・視座(対象を見ている立ち位置)を合わせるように心がける。