悩むことと考えること
全ての出来事(事実・事象)に決まった意味はない
最も重要な視点は、「一切の物事(事象・事実)は無色で、色を付けている(理由を付けて解釈している)のは自分自身である」と知ることです。
雨が降ること自体に決まった意味はありません。
雨が降ってブルーになる人もいれば、大喜びする人もいます。「禍」と意味づけるか「福」と意味づけるかは、常に自分で決められるのです。
一つの事例として、ミスに対する考え方があります。
価値基準が「ミスは悪である」という考え方だと、ミスが発覚したときネガティブに解釈せざるをえなくなります。
しかし、それに対して、「早いうちにミスして対策を考えたり改善したりしていくと、早くうまくいくようになる」というポジティブな考え方をしていたら、ミスは絶対悪にはなりません。
このように、うまくいかない状況でもポジティブでいられるコツはあります。
フールプルーフの考え方にも似ていますが、こちらはマインドセットになります。
「想定外のことが起きるだろうから、そのときは受け入れてポジティブ転換できればいいや」
と事前に思うことで落ち着いていられます。
後、もう一つ、うまくいかない時に効く魔法の言葉の型があります。
起こった問題を受け入れたうえで、マイナスをゼロに戻すのではなく、プラスに転換するにはどうすればいいか?を考えるワードです。
「それはちょうどいい!○○するチャンス!」
商品の発送ミスが起こったときに、「それはちょうどいい!原因を調べて、発送ミスを二度と起こさないようにするチャンス!」
ポイントとしては、何のアイデア出しも行動もせず「ポジティブに思い込もうとする」だけではダメ(ピンチはピンチのまま)で、
起こった問題を、ただ解決しようとするのではなく、発想を転換するきっかけにする。
楽しんで、「あのピンチがあったから今があるから感謝だな」と未来の自分が言っていることをイメージできると、
ピンチになってもポジティブに受け取って成長できるようになります。
全ての出来事(事実・事象)は自分次第でポジティブに受け取ることができます。
そこで大切なのは、ネガティブになっている自分に気づいくことです。
そして、飛行機から地上を見ている感じで、視座を物理的に上げることで「自分は何て小さいことで悩んでいたんだろう。こんなことでヘコんでいる時間はない」と思えるようになれば、今自分が集中している視点の意味を変えることができます。
「悩む」ことと「考える」ことの違い
いくつかのパターンに嵌まると選択できず「悩む」状態になるようです。
・選択肢がなくて行動できない
・選択基準がわからない
・選択し行動することに恐れや不安がある
また、悩んでいるとき、考えることをできなくする原因が2つあります。
・過去への執着
・未来への不安
これまでやってきた経験と費やした時間やお金、自分の中のプライドが、過去への執着となり、悩む要因になることがあります。
また、変わることに対してに未来への漠然とした不安も同じく悩むことの要因となります。
そのようなモヤモヤした状態を可視化することで、今やるべき判断に全力を尽くし抜け出せやすくなります。
そのための思考ツールが、「変化の4象限」というものです。
「変化の4象限」
変化前と変化後のメリット・デメリットを比較しながら可視化しつつ考えるツールです。4つのマトリクスにある、それぞれの問いを考えます。
変化前の現実(現状での主な問題)
・どんな現状のギャップ、不平、苦悩、デメリットに 対して取り組みますか?
・変化を起こさないと、どんなギャップ、苦悩、デメリットが発生する可能性がありますか?
変化後の現実(優れたメリット)
・新たに得られる大きなメリットはなんですか?
・どんな新しい可能性が開けますか?
変化前の現実(現状の望ましい現象)
・どんな現状の利得やメリットを失いますか?
・どんな重要な関係が危険にさらされますか?
・どんな代替手段が使われますか?
・どんな代替案が検討されますか?
変化後の現実(新しい現実を求めたときの痛み)
・変化を起こすことの大きなリスクは何ですか?
・変化を起こす時の大きな障害は何ですか?
このような思考ツールを使うことで、モヤモヤした状態から脱することができます。
また、解くべき問いを明確にすることで、独自の仮説をたて試す行動を取れるようになります。
問いが不明確な場合は、他人にどう思われるか?等、選択基準の視点を他人にフォーカスしている場合が多いです。
また、「解くべき問いが間違っている」場合も悩む要因になります。
今の状況をのりきる問いではなく、憧れる状況にフォーカスした問いを解こうとすると、
立ち止まって遠くから見上げて悩むことになります。
そのような時に、
「それはちょうどいい!○○するチャンス!」
や、
「変化の4象限」
のツールを使って状況を可視化することで、
いくつかの選択肢を出し、その選択肢を仮説(言語化された判断基準)を元にした優先順位に従って「評価」し、最も最適とした選択肢を選択することができます。
まとめ
・一切の物事(事象・事実)は無色で、色を付けている(理由を付けて解釈している)のは自分自身。
・考えることを止める要因は、「過去(経験や費やした時間・お金)への執着」と「未来への不安」
・「変化の4象限」で状況を可視化することで「悩んでいる」状態を「考える」状態に転換することができる。
・判断時に考えることは、「思い浮かんだ物事」に対して、仮説(選択基準を言語化)を元に優先順位立てし評価することで、最適とした選択肢を選ぶこと。