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自社で作った仕組みは、売り物になるか ── AIと収益モデルを組み立てた15分の記録

自社で作った仕組みは、売り物になるか ── AIと収益モデルを組み立てた15分の記録

以下は架空の企業設定を入力した実際の出力です。実在の企業・団体とは関係ありません。 AIの出力は、誤字や改行の整形、列の省略や単位の付記といった体裁の調整をのぞき、中身を書き換えずに掲載しています(長い箇所は「抜粋」と断って削っています)。

「困っていたから作った」を、売り物にできるか

自社の困りごとを解決するために何かを作った経験は、中小企業の現場に案外あります。Excelのマクロ、手製のチェック表、自作の管理アプリ。使ってみたら効果があった。同じことで困っている会社は他にもいるはずだ ── そこまでは誰でも思い当たります。止まるのはその次です。「で、それをどう売ってお金にするのか」が分からない。

その場面を想定して、AIツール「収益の作り方を組み立てる」に相談してみました。設定はこうです。

  • 食品加工の会社(従業員26名・年商3億8000万円)の製造課長
  • 衛生チェックの記録項目が増えてから記入漏れが月5〜6件出て、監査のたびに指摘されていた
  • 現場にPCが1台しかなく、紙のチェックシートを使い、後から口頭で確認して埋めていた。この後追いだけで月9時間
  • そこで、スマホで写真を撮ると記録が埋まり、漏れがあればその場で赤く出る仕組みを自社で作った。半年でほぼゼロに
  • これを同業に売りたいが、売り切りか月額かも決まっていない

この会社も、この人も、実在しません。AIの出力をそのまま載せる記事なので、実在の会社を入力すると、AIの推測や評価がその会社の断定として世に出てしまいます。設定はすべて架空で組み、規模と課題だけよくある形に寄せました。

もうひとつお断りします。この設定には「2025年の食品衛生法対応で記録項目が増えた」という一文が入っていました。書いた時点では気づかず、公開前に確かめて初めて誤りだと分かりました。衛生管理の記録が必要になったのは、HACCP(食品の安全を工程ごとに管理する国際的なやり方)に沿った衛生管理の義務化で、完全施行は2021年6月です。2025年6月に完全施行されたのは器具・容器包装のポジティブリスト制度で、別の話でした。この間違った前提をAIがどう扱ったかも、この記事の見どころになります。

AIに入れたもの

最初に貼ったのは、次の文章だけです。整理した資料もフォーマットもありません。

食品加工の会社で製造課長をしている鈴木と申します。従業員26名、年商3億8000万円の会社です。

自社で困っていたことを解決するために作った仕組みを、同業に売れないかと考えています。

うちは2025年の食品衛生法対応で衛生チェックの記録項目が増えてから、記入漏れが月に5〜6件出て、監査のたびに指摘されていました。(中略)そこで、現場のスマホで写真を撮ると記録が埋まり、漏れがあればその場で赤く出る仕組みを自社で作りました。半年使って、記入漏れはほぼゼロになりました。

同じ悩みを持つ小さな食品工場は多いはずなので、これを商品にして売りたいのですが、どう収益化すればいいのかが分かりません。売り切りにするのか、月額にするのか、そもそも自分たちが売る立場になれるのかも含めて、収益の作り方を一緒に組み立ててもらえますか。

最初にモードを聞かれます。おまかせ・対話・じっくりの3つで、対話を選びました。あとはAIの質問に答えていくだけです。全部で7往復。答える内容をあらかじめ決めていたので15分ほどで終わりました(考えながらだと、もう少しかかります)。

AIが返してきたもの(抜粋)

まず「これは事業になるか」を判定される

いきなり収益モデルの話は始まりません。最初にGo / No Go の判定が来ます。

■ サバイバル4原則評価
1. 在庫を持たない: ★★★★★ (5/5)
2. 利益率が高い: ★★★★ (4/5)
3. 定期収入がある: ★★★ (3/5)
4. 小資本で開始: ★★★★ (4/5)
総合評価: ★★★★ (16/20点)
1点の項目: なし

■ ニーズ判定: 🔥バーニングニーズ
■ 市場ルール: 2025年の食品衛生法対応による記録項目増加

■ Go/No Go判定
判定: ✅ Go - 次のステージへ進む価値あり

(このあとに続く判定理由の記述は略します)

※「バーニングニーズ」は今すぐお金を払ってでも解決したい困りごと、「サバイバル4原則」は在庫・利益率・定期収入・小資本の4点で見る初期チェックを指します。どちらもこのツールが作った言葉ではなく、以前からビジネスの分野で使われてきた言い方です。

「定期収入がある」が3点にとどまっているのが目を引きます。売り切りか月額かを決めていないので当然なのですが、この1項目が後半の設計を引っぱっていくことになります。

そして「市場ルール」の欄。記事の冒頭でお断りしたとおり、これは実在しない前提です。AIは確かめることなく、事業が成り立つ根拠として採用しました。このあとの「読み解き」でもう一度取り上げます。

競合を調べてくる

「主要な競合を3社ほど教えてください」と聞かれました。現場の製造課長が把握しているはずもないので、正直にこう返しました。

競合はきちんと調べたことがなく、社名までは分かりません。(中略)社名が必要でしたら、そちらで調べて候補を出してもらえますか。

するとAIがWebを調べ、食品工場向けの衛生管理サービスを3社挙げてきました。チェックシートの電子化、温度センサーによる自動記録、HACCP特化のクラウド管理と、方向性の違う3社です。参照したサイトも併記されました。

この記事では社名を伏せます。公開前に各社の公式サイトを確認したところ、AIが挙げた社名と製品の組み合わせに、事実と異なるものが含まれていたからです。詳しくは、このあとの「読み解き」で触れます。

制約を伝えると、設計が変わる

AIは「システムを売るだけでなく、導入支援やコンサルティングを組み合わせる」方向を推してきました。そこでこう返しました。

サービス化や導入後のサポートを柱にする案は、正直なところ人手の面で不安があります。うちには営業専任もサポート専任もいません。私が製造課長の仕事と兼務するしかない状態です。動けるのは月に20時間くらいが限界だと思います。

返ってきた設計は、コンサルティングを主軸から外し、「一度作れば手離れするサブスクリプションを85%、高単価の初期導入支援を15%」という配分に変わりました。対策として、利用者が自分で設定を済ませられる仕組み(セルフオンボーディング)の整備と、販売代理店との提携も挙がりました。制約は、早く言うほど効きます。

12ヶ月の売上予測まで出る

出てきた収益モデルは、月額2万円のサブスクリプション+初期導入支援15万円。12ヶ月の予測がこの形で返ってきました(抜粋・一部の列と行を省略)。

新規 累計 サブスク売上 導入支援売上 月間売上 粗利益
1月 2社 2社 4万円 30万円 34万円 25万円
2月 3社 5社 10万円 45万円 55万円 40万円
3月 4社 9社 18万円 60万円 78万円 57万円
(中略)
11月 6社 47社 94万円 90万円 184万円 134万円
12月 6社 53社 106万円 90万円 196万円 143万円

表の下には、こう書き添えられていました。

年間合計売上: 約1,427万円 (目標1,000万円を上回る計画です) 年間粗利益: 約1,040万円 (サーバー費用、開発協力者への保守費用等を粗利計算に含んでいます)

さらに、今日から着手できる作業3つ(自社事例の資料づくり3時間/既存10社への連絡2時間/簡易サイトの構成案4時間)と、撤退基準まで示されました。6ヶ月で顧客10社か月20万円に届かなければ、12ヶ月で累積赤字が自己資金200万円を超えれば、本業に支障が出て兼務が難しくなれば ── の3つです。降りる条件を先に置いてくれるのは、人間には言い出しにくい部分です。

なお画面の下部には、常にこの1行が表示されています。これはAIの応答ではなく、サービス側が常に出している表示です。

AIの回答は一般的な情報提供です。投資・税務などの判断は専門家にご相談ください。

読み解き ── 人間が確かめるべき場所は、3つだけ

使ってみて、人間が確かめなければいけない場所は3つに絞られると分かりました。逆に言えば、その3つ以外はAIに任せてかまいません。

①:合計と比率

12ヶ月ぶんの月間売上を足すと1,397万円です。AIが書いた「約1,427万円」ではありません。粗利益も、足すと1,020万円で「約1,040万円」ではありません。

念のため申し添えると、月ごとの12行は1行残らず正しいのです。累計顧客数も、2万円×社数も、15万円×件数も、粗利率も合っています。合っていないのは、その下の合計だけ。

表を1行ずつ組み立てる作業と、列を上から下まで足す作業は、別の仕事です。前者はルールに沿って埋めるので得意ですが、後者は本来の計算をせずそれらしい数字を書いてしまうことがあります。12行が全部正しいぶん、疑う気持ちが起きにくい。

比率でも同じことが起きていました。「サブスク85%・導入支援15%」とありますが、84万円と12.5万円の実際の比率は87%と13%です。宣言された85対15と、金額から出る87対13が、同じ画面に並んだまま食い違っています。どちらが先に決まったのかは出力からは分かりませんが、片方を直した形跡はありません。

②:AIが挙げてきた固有名詞

競合3社の件です。AIはWebを調べて社名を挙げ、機能まで説明してくれました。もっともらしく、参照サイトも示されています。

ところが公開前に各社の公式サイトを開いたところ、そのうち1社の社名と製品の組み合わせが事実と違っていました。実在する会社に、その会社のものではない製品が割り当てられていたのです。そのまま載せていれば、当社が事実と異なる内容を公表したことになります。

固有名詞は、AIがいちばん自信ありげに間違えるところです。社名・製品名・人名が出たら公式サイトで裏を取る。取れなければ使わない。この記事で社名を伏せているのは、そういう理由です。

③:自分が入力した前提

いちばん見落としやすいのがここでした。入力に混ぜた「2025年の食品衛生法対応」は実在の制度と一致しません。にもかかわらずAIは一度も疑わず、「市場ルール」の欄に書き写し、事業が成り立つ根拠として扱いました。「なぜ今この事業なのか」という、Go判定を支える柱の部分です。

AIは、入力された前提の真偽を確かめません。間違った前提を渡せば、その上に整合の取れた、立派に見える計画が積み上がります。計算が合っていても、土台が違えば全部が無駄になる。自分が書いた文章のほうを疑うという発想はなかなか出てきませんが、いちばん効きます。

では、AIに任せてよかったのはどこか

確かめる場所が3つあるなら意味がないかというと、逆です。この15分の価値は、正確さではありません。

  • 引き出しの多さ … 「売り切りか月額か」の二択で止まっていたところに、初期導入支援を高単価で切り出す、消耗品の物販を乗せる、専門家と工場をつなぐ場にする、といった選択肢が並びました。1人なら二択のままだったはずです
  • 降りる条件を先に置く … 撤退基準を最初に決めるのは、始める前だからできます
  • 制約に合わせて組み替える … 「月20時間しか動けない」の一言で、提案の骨格が変わりました

選択肢を広げる仕事はAIが速く、正しさを決める仕事は人間が持つ。「月2万円で本当に売れるのか」を確かめる方法は、同業10社に聞きに行く以外にありません。AIは、その10社に何を持って行くかまでは作ってくれます。

始まりは「売り切りか月額かも決まっていない」でした。終わりは、価格・売上目標・顧客獲得ペース・今日やる3つの作業・撤退条件です。完成した事業計画が手に入るわけではありません。相談を始められる形の材料が、15分で手に入る。それがこのツールの実際のところです。

今日から試すには

いちばん確かめる価値があるのは、この記事の数字ではなく、あなたの会社の数字です。15〜30分ほどで、価格・売上目標・撤退条件まで一度並べられます。並んだものが正しいかどうかは、そこから人間が決める話です。合計欄だけは、必ずご自身で足してください。

使ったのは、AI壁打ちツール Idea Realize AI(https://idea-realize-ai.com/)の「収益の作り方を組み立てる」です。ご利用には会員登録が必要です。無料でお試しいただける期間があり、期間終了後は自動で有料に切り替わります。最新の条件はサイトでご確認ください。

本記事について

本記事に掲載したAIの出力は、架空の企業設定を入力して得られた実際の応答です。実在の企業・団体・人物とは関係ありません。

生成AIの性質上、同じ内容を入力しても同じ出力が得られるとは限りません。掲載したのは記事作成時点の一例です。

出力に含まれる数値・予測・評価はAIによる推計であり、事実の裏付けや将来の成果を保証するものではありません。記事中でも触れたとおり、合計や比率はご自身で検算してください。

AIの回答は一般的な情報提供です。投資・税務などの判断は専門家にご相談ください。

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